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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第四話:地獄の閻魔とその助手 「まず先に無縁塚に行きましょう。どうせ、白玉楼への通り道ですし。」 と言う文の言葉に従い、FF・にとり・文の三人は早速無縁塚へ向かうことにした(椛は本来の番人の役割に戻っていった)。 本来なら飛んで向かう所だが、にとりとFFは飛べない上に致命的な弱点があった。 「二人共、面倒くさい弱点持ってるわねぇ…」 「やかましいッ!」 「私達も好きでこんなもん引きずってる訳じゃないっ!」 文の一言に噛みつく二人。彼女達の後ろには樽が入った台車。それぞれ片手にコップを持ち、飲みながらもう一方の手で台車を引きずる姿はどこかの神主を連想させる。 しかし樽の中身は酒ではなく、河の水である。 FFに水が必要なのは前述の通りであり、にとりもエンジニア云々以前に所詮河童である。定期的に水分を補給しないと下手をすればFF以上の速度で干からびるのだ。 上空では文が此方の様子を見ながら禿鷹よろしくぐるぐると回りながら飛んでいる。 「にしてもにとり。エンジニアなのに空飛ぶ機械とか作れないの?」 「無茶言わないでよ。そんな技術、今の幻想郷にあるわけないでしょ?」 文の言葉に、にとりはストローで水をすすりながら応える。実はこの数年後に某紫モヤシがスペースシャトルを造り上げてしまうのだが、それは余談である。 「おい、にしてもまだ着かないのか?もう半日も歩き詰めなんだが…」 樽の中を心配しながらFFが聞く。水は一応、樽二つ分持って来てはいるが、既に一つめがなくなりかけている。 「もうそろそろですよ…ほら、あそこです!」 文が地上に下りて植物(彼岸花という毒草だと後で知った)で覆われた道を指さす。その先には開けた丘があり、丘の上には四人の男女が何やら騒いでいた。 「あれ?てっきり映姫様と小町しかいないと思ってたんだけど…」 文が首を捻る。本来会う予定だったのはその二人だけの筈なのだ。よく見ると、四人のうち、二人は正座をしていて、二人は仁王立ちである。 「全く!妙にやってくる幽霊が少ねェと思って来てみればッ!」 「またサボってたのですか小町!ペッシに任せきりにするなと何度言ったらわかるのです!」 「あーえぇッと…」 「い、いや、怒らねェでくれ兄貴!映姫様!俺がちぃッと仕事に慣れてきたから一人でやらせてくれッて小町に頼んだだけで…」 「ペッシペッシペッシよぉー。別に俺達ゃあお前が一人でやろうとしたことを責めてるわけじゃあねぇ。」 「一人でやろうと言う意思は立派なものです。しかし、だからと言って小町がサボっていい口実にはならないッ!そして、それを貴方が容認した事を怒っているのですよペッシ!」 物凄いコンビが交互に説教しているようだ。説教されている鎌を持った赤髪の女とパイナップルのような頭の男は涙目で互いの顔を見合わせている。 「閻魔様が増えてる…これは判断間違えたかしら…」 文が顔を青くして呟く。彼女は過去に、「己の記事に盲信的すぎる」と、三時間程説教を受けたことがあるのだ。 「…ん?新聞記者の烏天狗ではありませんか。また私の話を聞きに来たのですか?」 「いっいえ!それはまた今度に!」 立っている二人の内、緑を基調とした幼さが残る女性がこちらに気付いて声をかけてくる。 「ん?妖怪の山の河童と…どなたですか?幻想郷の者ではありませんね?」 「あぁ。私はフー・ファイターズ。FFと呼んでくれればいい。ここに死人に詳しいヤツがいると聞いて来たんだが…アンタがそうかい?」 「はい、その通りです。私は四季映姫・ヤマザナドゥ。あちらのスーツを着たのが助手をやってもらっているプロシュート、鎌を持ったのと髪を立たせたのが部下の小野塚小町とペッシです。」 「足がッ!足が痛ェッ!」 「プロシュート兄貴!アタイら反省した!反省したから正座だけ直させて!」 「やかましい!まだ説教は終わってねぇんだよ!俺と映姫が戻って来るまで正座してやがれッ!」 何やら悶えている二人に一喝して、スーツ姿の男―プロシュートがこちらにやって来る。 「プロシュートだ。一応元外の人間でな。ある程度なら、相談にのれると思う。」 言いながら右手を差し出す。FFも手を出し、握手に応じる。握手した瞬間に違和感を感じ、プロシュートは顔をしかめる。 「お前の手…まさか、【人間じゃあない】のか?」 握手しただけで正体を見抜かれ、驚くFF。見ると、プロシュートの後ろから人型の「何か」が煙を上げている。 「プロシュートっ!貴方は…」 「黙ってろ映姫!コイツはスタンド使いだ。危険性は説明しただろうッ!」 声を上げる映姫を黙らせるプロシュート。幻想郷に住む人間にとっては考えられない光景だ。逆に言えば、このプロシュートという男はそれほど映姫に信頼されている、ということか。 「そうか。お前もスタンド使いか。しかしさっきもいったが、私は聞きたい事があるだけだ。敵意はない。だから、スタンドをしまってくれないか?」 FFは、身体中からから水分が抜けていくのを感じながらも、表情を崩さずに言う。目線は外さない。プロシュートはそんな彼女を暫く見つめると、スタンドをしまい、頭を下げた。 「いや、すまなかった。さっきお前の事を【危険だ】なんて言ったが、撤回するよ…無礼な事を言ったな。」 言いながらプロシュートが手を離す。すると、自分の身体に水分が戻るような感覚が起こった。 「いや。危険だと言ったそっちの判断は正しい。問題はないさ。改めて紹介させて貰おう。私はフー・ファイターズ。FFと呼んで欲しい。」 身体の調子を確かめたFFはプロシュートに改めて握手を求める。スタンド使いを警戒するのは当然の行動だ。 「そう言ってくれると助かる。改めてよろしく、だな。」 先ほどとは違った、柔らかい笑顔を浮かべて握手に応じる。 その瞬間、回りの空気が一気に緩むのが感じられた。にとりと文など、樽の中で大きく息をついている。いつの間に入ったのだろうか?というか助けようという意思はないのか? 「それで、私に聞きたい事があるようですが…」 映姫の言葉にFFはここに来た目的を思い出す。 「と、言っても大体の想像はつくがな。ここは死後の世界じゃないか、自分以外にスタンド使いはいるか、だな?」 プロシュートの言葉に頷く。ちなみに、にとりと文は話について来られないのを自覚しているのか、離れた所にいる小町とペッシをつっついている。何をしに来たのだろうか? 「前者に関してはノー、です。貴方がたの世界の【死後の世界】はちゃんと別に存在しています。」 映姫の言葉は大方FFが予想していた答えだった。しかし、その後のプロシュートの言葉は彼女にとって以外なものだった。 「後者だが…スタンド使いである俺が言うのも何だが…スタンド使いはいるにはいる。だが、どうやら本来のルールは存在しない、と考えていいだろう。 現に俺も幻想郷に来て数ヶ月たつが、お前が、俺とペッシ―あの正座してるヤツだが―以外にここで初めて見たスタンド使いだしな。」 「そんな、馬鹿なッ!【スタンド使いは引かれ合う】。それは絶対のルールな筈だろう!」 「驚くのは無理はねぇ。俺だって最初はいつ、どんなスタンドが襲ってくるのかってー思いながら暮らしてたんだからな。」 「貴方がたの【世界だけ】のルールであるようなのです。この【幻想郷】ではそれは役に立ちません。」 声を上げるFFにも驚く事もなく平然と答える二人。恐らく、プロシュートも同じ感想を持ったのだろう。あるいはペッシか。 「まぁ信じられないのはわかるが、来ないものを考えて肩肘張っても仕方ねーッてこった。」 「恐らく、スタンド使いに襲われるよりも妖怪とか巫女や魔女に襲われる方が多いでしょうね。」 二人の言葉に嘘はないだろう。つく理由が思いつかない。しかし、そうなると【自分が何故ここにいるか】の答えがなくなる。 「外の世界」ではプッチがDISCを入れた、という「理由」があった。なら今回は何故存在できているのだろうか? 「どうしても気になるなら白玉楼の西行寺幽々子を訪ねてみたらいかがですか?私よりここの死人には詳しいでしょう。」 白玉楼。文が言っていたもう一つの場所か。確か通り道だと言っていたか。 「すまない、助かったよ。ありがとう。映姫、プロシュート。」 「いえいえ。お礼を言われるのも久しぶりですね。」 「そりゃ、説教ばかりしてっからだろう?」 「貴方がそれを言いますか?」 「ま、人の事は言えねェか。俺も。」 FFの礼の言葉に、茶化しあう二人。お互いにあまりそういうのに慣れていないのだろうか。 「ふふ、大変だな。閻魔というのも。」 「それでも中々やりがいがあるんですよ?」 FFにウインクで返す映姫。こうしてみると、とても地獄の閻魔とはとても思えないくらい可愛らしい。 「あぁ、済まないが一つ頼まれてくれないか?【もし】でいい。 おかっぱ頭のブチャラティって男をもし見つけたら、プロシュートが会いたがってると伝えてくれ。酒を一緒に飲みたいと。」 プロシュートが思い出したように言う。友人だろうか。FFには断る理由もなかったので、引き受ける事にした。 「わかった。見つけたら確かに伝えよう。見つけられる事を祈るよ。」 「すまない。頼む。」 プロシュートが頭を下げる。よほど大切な友人なのだろう。 「それじゃあ、私は行くとするか。にとりー!そろそろ行くぞー!文!道案内を頼む!」 「あ、終わりましたか?」 「もー、待ちくたびれたよ!で、次は?」 「白玉楼だ。文、すまないが…」 「道案内ですよね?任せて下さい!ただ、もー少し記事にしやすい内容にしていただけると助かります。前回にしろ今回にしろ。」 「努力はするが…」 喋りながら無縁塚を去る三人を、プロシュートは感慨深げに眺めていた。仲間の事を思い出しているのだろう。 「やれやれ。今日は忙しい日ですね。」 「八雲藍、だったか?あの狐。面白くねぇが、アイツの言う通りになりやがったな。」 「彼女の主は頭が切れますからね。…怠け者ですが。」 「ふん。…そういや、ウチの怠け者とマンモーニは…」 振り向くと、正座の姿勢で悶えているのはペッシだけで、小町の姿が見えない。 「あンのアマぁ!また逃げ出しやがったか!」 「ペッシ!小町はどこに行ったのですかッ!言いなさい!早くッ!」 「わからねぇよ!わからねぇから、ゆらさないでくれ映姫様!足が、足がー!」 幻想郷は、今日も平和です。 前へ 目次へ 続き
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第15話:人間が好きな妖怪 その③ 重ちーと慧音のやりとりを見ていた人物は、慧音が教えている生徒の一人だった。 その子供は毎日のように遊んでくれる重ちーの事が好きだった。少し抜けているところが好きだった。そのクセに間違っている事を間違っていると言ってくれるその姿勢が好きだった。 そんな重ちーが不思議な力を使っているのを見てしまった。重ちーが【普通の人々と違う】事を知ってしまった。 そんな【事実】を知ってしまった子供が周りの大人に喋るのはある意味必然と言えただろう。憧れの人物が普通と違っていたのだ。喋ってしまった子供を誰が責められただろうか? ただ一つの【不運】は。 その子供の報告を聞いていた大人の中に、慧音の言う【妖怪を嫌う人間】がいてしまった事だろう。 しかし、その【不運】は【その人間】の不安を煽り、更にはその不安を拡大させてしまった。 そして、そういう感情に限って拡大は早いものだ。たちまちのうちに重ちーに対する不信感が強まっていってしまった・・・ FFが寺子屋に来た次の日の夕方。 いくら住人のほとんどがヒマを持て余している幻想卿とはいえ、例外は必ず存在する。 幻想卿最強の妖獣と呼ばれる【八雲藍】もその一人だ。基本的に24時間単位で忙しい彼女は朝は結界の見回り、昼は住処の掃除、夕方にはマヨヒガで猫相手にプロレスか寺子屋で遊んでいる橙を迎えに行き、夜は主人を起こすという生活を送っている。 1日のほとんどが仕事の彼女にとって、橙とのコミュニケーションはある意味オアシス(スタンドに有らず)に近いモノがある。そして橙の成長の報告は微笑ましく、楽しみな事でもあった。 「それでね、それでね藍様!今日からね?FFって人が先生になったの!」 「そーかぁ。新しい先生かぁ~。」 「うん!それでね!今日はね!反対の言葉を教えてもらったの!」 「そっかぁ。また橙は賢くなったんだなぁ・・・」 「うん!コーヒーの反対は紅茶でねっ!塩の反対はソースなの!ブタの反対はシャケなんだって!」 「そっかぁ~・・・・・・・・・そうか?」 今の藍を見た者は絶対にこのキツネが最強の妖獣であるなどとは思わないだろう。それほどまでに目尻と頬の筋肉は緩みきり、某メイド長並に鼻血をたらさんばかりの顔で橙の報告を聞いているのであった。 親バカと言われようと知った事か。この子と一緒にいる事が何よりの精力剤となるのだから!それにこんなに楽しそうに報告をしている橙を見たら鼻血の1リットルや2リットルも出るというもんだ! この幻想卿一のバカ親子(⑨ではない)はそんなやりとりをしながら人間の里へと歩いていった。今夜の夕食の買出しの為だ。 だが、そんな緩みきった顔も人里に入った瞬間に引き締まる事になる。 「ら、藍しゃま・・・?」 「あぁ。どうもおかしいな・・・?」 怯える橙をなだめつつ、周囲に注意を向ける。 見た感じはいつもと全く変わらない商店街である。歩いている人間達もいつもの通りだ。 だが人間達の様子がどうもおかしい。まるで【何かおかしなもの】でも見るような目をしている。その目線の先はほとんどが【橙】に向けられていた。 本来の藍なら橙にそんな目をしている人間など即座に八つ裂きにしているところだ。だが、【目に映る全ての人間】が【同じ目をしている】事が藍を警戒させた。 (自分ならまだわからないでもない・・・一応大妖怪の一人だしな・・・だが、何故【私】ではなく【橙】なんだ・・・?) 慧音の頼みで橙を寺子屋に通わせているからか? ノン 橙が寺子屋に行くようになってからもう1週間だ。今更警戒したところでどうなる? 橙が何かやらかした・・・? ノン 橙はいい子だ。何かやらかしてしまったら必ず報告するよう言ってある。報告は今まで一度もない。 橙の配下の猫共か・・・? ノン 橙の実力的に猫共が力を持つ事はない。何かしたとしてもノラ猫レベルのはずだ。 自問自答を繰り返すが、答えは出ない。【理由】がない。【自分】ではなく【橙】のみを見る【理由】が。 藍はそこで思考を中断する。無駄な事はいくら悩んでも無駄なのだ。自分はそれに答えられるだけの【欠片】を持ち合わせていない。 さっさと買い物を済ませて帰ろう。そう考えた藍は橙を連れ、商店街に入っていった。 「やぁ、調子はどうだい?」 「ん?あぁ、八雲ンとこのキツネとネコじゃあねぇか。いらっしゃい。」 幻想卿ではめずらしい黒い肌をしたがっしりした女性が応対する。 この店は店主がハイハイをしていた頃から知っている旧知の仲だ。更に売り文句が『妖怪も人間も御用達』である優良店である。 「鳥肉と兎肉、それにネギとショウガを貰えるか?」 「おぅ。あと、このダイエットコークはサービスしとくぜー。」 藍の注文に応えながら籠に商品を放り込んでいく。そしてどこからか『ダイエットコーク』と描かれた缶を最後に放り込んで藍に渡した。 この店主は必ず『ダイエットコーク』をサービスするのだ。どこから調達しているのかわからない幻想卿七不思議の一つである。 「ありがとう。この飲み物は紫様が大好きでね。売ってくれないか?」 「そういう訳にもいかねェんだよォオオ。すまねぇがな。」 この会話もいつもの事だ。少なくともこの店はいつも通りであるらしい。少し安心し、去ろうとした藍に店主が声をかけた。 「あ、もう一つサービスだぜー八雲ンとこの。しばらくそこのネコを寺子屋に行かせない事を薦めるぜェ。」 その言葉にピタリと動きを止める藍と橙。言葉に含まれる意味を図りかねたのだ。 「・・・どういう意味だ?」 「一万、と言いてェところだがまァ個人的に気に入らねェんでな。サービスしとくぜ。その籠ン中だ。」 ニヤリ、と笑ってその【店主】は籠を指差した。 その翌日の昼。 重ちーは完全に意気消沈していた。 今日も今日とて慧音の言いつけをスコーンと忘れ、農家の手伝いに行ったのだが手伝わせてくれなかったのだ。 それどころか誰もがこちらと話をしようとしてくれない。誰かに話しかけようとしてもそっぽを向かれ、こっちを向いてくれない。 いくら寺子屋で手伝いをしているとはいえ、重ちーはまだ14歳の子供である。邪険に扱われて平然と出来るわけもなく、トボトボと寺子屋に戻っていっているのだった。 「・・・一体どうしたんだど・・・?みんなが冷たいど・・・」 手のひらに乗っけたハーヴェストにボソボソと話しかける。慧音には『絶対に人前でその能力を使うな』と厳命されているが、誰も見ようとしていない今ならいいだろうと話し相手用に呼び出したのだ。 「オラ、なんか悪いことしたか・・・?こっそりオラだけスイカを2玉食べたのがいけなかったのかど・・・?それとも手伝いの報酬を上げてくれって言ったのが悪かったのかど・・・?」 実に重ちーである。無論、そんな理由であっさり嫌うような人間はいない。 だが、自分で考えた事を勝手に自分で信じてしまうのも人間であり、重ちーである。きっとスイカを食べた事に違いないと頭を抱えながら寺子屋に戻っていく。 そんな彼が帰ってきて見たものは。 敬愛する教師達を取り囲む人里の男達であった。 FFは完全に混乱していた。 当然だ。新任の教師として来て、2日目の出来事である。紅魔館(の図書館)に行く予定であるにとりを置いて学校に行き、早苗と一緒に子供達に計算式を教えていたはずだった。 急に慧音が神妙な顔で入ってくるなり、『子供達を部屋から出さないでくれ』と言ってきたのだ。 ひとまずその場を早苗に任せ、詳細を聞きに慧音の後を追って校舎から出たFFが見たもの。それが、この光景だ。 「・・・コイツは何の冗談だ?慧音。」 「判らない。身に覚えがない以上、判りようがないが・・・妹紅?」 「竹林の糞NEETだったら腐るほどあるが・・・少なくとも私は人間のつもりなんでね。身に覚えはないな。」 既に外に出ていた妹紅も判らないようだ。FF自身にも思いつく限りはない。【外の世界】なら掃いて捨てるほどあるのだが・・・ だが、そんな彼女達を嘲笑うかのように殺気だった男達がこちらにやってくる。これが現実だ。目を逸らすわけにもいかないだろう・・・ 「何の用ですか!?今は授業中です!」 慧音の声にも耳を貸そうとしない。ただ、こちらを睨みつけながら持っている鍬や鉈を構えるだけだ。 女三人にあまりに物騒すぎるように見える。が、まぁ妖怪に半妖、不老不死が揃っているのだから鍬や鉈では弱すぎる位か。 「すまないが、ここに来た理由を言ってくれ。場合によっては私達もそれなりの対応をせざるを得ない。」 「え、FFッ!?」 「コイツ等の目・・・気に入らねェ・・・。【こんなところ】に来ているくせに【マジで怯えた目】をしていやがる・・・二つの事が矛盾してるンだよ、慧音。」 FFが指を男達に向ける。それに驚く慧音をよそに妹紅の周囲の温度がどんどんと上がってゆく。妹紅も戦闘準備を行っている証拠だ。 妹紅の言葉を証明するかのように男達の輪が遠くなってゆく。攻撃される、と思っていなかったのだろうか? 「なぁ。お前らが何の目的でココに来たのかはもう【興味】はねぇな。だが、【一つ】答えてくれねェか?」 「お前達は【攻撃されるかも知れない】っていう【覚悟】をして来てるのか?なぁ。慧音の寺子屋にそうやって【武装】してるって事はよォ・・・」 FFと妹紅が更に詰め寄る。詰め寄っただけ後ずさりする男達。 これで【理解】できた。コイツ等は理由は知らないが、慧音に【何か】を【強要しようと】している。だが、【攻撃される】事は想定していない・・・ 自分は攻撃されない【だろう】という身勝手な【ルール】でココに来た【大馬鹿者】と言う事か・・・ 「何て茶番だ・・・くだらない。基本的に人間は好きだが、こういう所が人間の駄目なところだ・・・」 完全に興が削がれたFFは狙いを定め、出来る限り被害が少なそうな部位を狙ってFF弾を撃ち込んだ。 前へ 目次へ 続き
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https://w.atwiki.jp/ebifurai/pages/12.html
@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧表 @wikiの設定・管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください アットウィキモードでの編集方法 文字入力 画像入力 表組み ワープロモードでの編集方法 文字入力 画像入力 表組み その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン一覧 @wikiかんたんプラグイン入力サポート バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、お問合せフォームからご連絡ください。
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ジョジョの奇妙な歌い手 新手のスタンド使いたちのジャケット紹介ページ 絵:スタンド描きさん ※スタンド名あいうえお順に表示 現在のジャケット状況 スリーピング・ベイビー ライト・ザ・リリックス スレイヴ・トゥ・ザ・ドゥーン追加いたしました!! 兄スイさん/アニスイ・ブラザーダウン【Annisui Brotherdown】 曲リスト 「コッペパン」でザ・ワールド-歌ってみた 「青春いいじゃあないかッ!」(5部三人組)-歌ってみた? ふたりのぼすぴったん-歌ってみた じょ☆すた もってけ!レクイエム-歌ってみた アンインストール ver.ジョジョ五部(アバッキオ)二番煎じ-歌ってみた God knows..ジョジョ5部ver.ブチャラティ-歌ってみた うぇるかむASSASSINO(ジョジョ5部暗殺チーム替え歌)全員集合ゥッ!! ロマンティックあげるよ-吉良&しのぶ- ハイな挨拶のおにーさん/アルティメット・ハイ【Ultimate High】 曲リスト ジョジョ2部でエアーマン 柱の男が倒せない ジョジョ1~2部でみくる ストレイツォ伝説 ジョジョ二部(シュトロハイム)で 創聖のアクエリオン ジョジョ五部の三人で 青春いいじゃないか ジョジョ五部で 夢・覚悟・ネアポリスにて ジョジョ五部で ”Roman” 朝と夜の物語 ジョセ伝とか(ryさん/ウィッシングウェル【Wishing Well】 曲リスト 恋のジョセフ伝説(ジョジョ ハルヒ) 恋のジョセフ伝説(ジョジョ ハルヒ 歌ってみた) 恋のジョセフ伝説(ジョジョ ハルヒ 修正版) ミクル伝説シーザー版(ジョジョ ハルヒ)歌ってみて 仗助&億泰なら大丈夫(ジョジョ) エアーマンが倒せないver.SPWの愚痴に画像をつけてみた 空気さん/エアークイーン【Air Queen】 曲リスト 恋のヨシカゲ伝説(歌ってみた) 典明忘れちゃレロレロよ!歌ってみた(かきょーん成分含有) 階段がのぼれない(FULL版)歌ってみた ザ・ワールドが倒せない 歌ってみた(DIO様混入?) 卑し系魔法中年チョコラータ歌ってみた ニコニコ組曲『黄金の風』歌ってみた 跪いてWRYYYYYYYY歌ってみた うぇるかむASSASSINO(ジョジョ5部暗殺チーム替え歌)全員集合ゥッ!! 素敵な鈴美さん 改めギンボさん/エコーズ・イン・ハート【Echoes in Heart】 曲リスト きしめんで替え歌(ドッピオ時々ボス) 「歌ってみた」 究極生物カーズさま☆「歌ってみた」 God knows..ver.5部 「歌ってみた」 鈴美さんで[なみだがとまらない] 「歌ってみた」 amp;quot;You amp;quot; ver.ジョジョ4部(川尻しのぶ)「歌ってみた」 amp;quot;You amp;quot; ver.ジョジョ4部(川尻早人)「歌ってみた」 スタンドのうた 「歌ってみた」 闇の紳士録(吉良吉影)「作って歌ってみた」 ハンサムさん/オー・ハンサム・ミー【Oh! Handsome Me】 曲リスト WRYYYYYY EDISIONジョジョ3部 スマン好き過ぎて歌っちゃった 仗助&億康なら大丈夫!(ジョジョ ハルヒ) 歌い直し(トニオ乱入) 岸部露伴なら大丈夫 歌ってみた (ジョジョ ハルヒ) ミクル伝説シーザー台詞入り (ジョジョ ハルヒ) 歌い直してみた トッニーオ↓スペクタクル (ジョジョ ハルヒ) うぇるかむASSASSINO(ジョジョ5部暗殺チーム替え歌)全員集合ゥッ!! ジョジョキュア 歌ってみた(一人でデュエット) 砂女さん/サ(ウ)ンド・ガール【Sound Girl】 曲リスト キューティーハニーver.ジョジョ5部『女がいただいてみた』 ひぐらしのなく頃にver.ジョジョ4部 女が歌ってみた 魂のルフラン ver.ジョジョ6部 女が歌ってみた(歌の後におまけ付き) God knows...verジョジョ5部『女が歌ってみた』 God knows...verジョジョ5部『一緒に歌ってみた』 ハレ晴レユカイ~ジョジョ第3部ver~女が歌ってみた お知らせ ~ジョルノver.~ 砂女さん 各部についてのお知らせ ~娘と母ver.~ うぇるかむASSASSINO(ジョジョ5部暗殺チーム替え歌)全員集合ゥッ!! nerukoさん/スリーピング・ベイビー【Sleeping Baby】 曲リスト 岸辺露伴ならだいじょーぶ(ジョジョ+ハルヒの流れに乗ってみた) 岸辺露伴ならだいじょーぶ(歌ってみて) ジョジョ5部の3人で「青春いいじゃあないかッ!」(歌詞のみ) 青春いいじゃあないかッ!(1'58'' ミスタ死亡) 「典明忘れちゃレロレロよ!」をできる限りキョンの妹風で歌ってみた 「敵、覚悟、イタリアにて」を歌ってみた 「敵、覚悟、イタリアにて。」を歌ってみた(修正版) うぇるかむASSASSINIO(ジョジョ5部暗殺チーム)【歌詞のみ】 うぇるかむASSASSINO(ジョジョ5部暗殺チーム 替え歌)【編集中だった】 うぇるかむASSASSINO(ジョジョ5部暗殺チーム替え歌)全員集合ゥッ!! 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https://w.atwiki.jp/wm_rev/pages/37.html
@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧表 @wikiの設定・管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください アットウィキモードでの編集方法 文字入力 画像入力 表組み ワープロモードでの編集方法 文字入力 画像入力 表組み その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン一覧 @wikiかんたんプラグイン入力サポート 他のWIKIが気になる方はこちら 精霊回路ドライヴ@wiki プログラミングに関する私的メモ VPVP wiki エルプリ攻略wiki VIPで初心者がゲーム実況するには@ Wiki バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、お問合せフォームからご連絡ください。
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名称 @wiki to MediaWiki DocumentFormat and Markup Converter for wikia(R)(仮) 作者 Tommy6 ライセンス 未定 バージョン Ver. 0.0000000000000000000000000000000000001 概要 ドキュメントフォーマット変換 @wikiではソースのバックアップ機能が利用できますが、出力されるのはプレーンテキストのためそのままではMediaWikiへインポートすることは出来ません。そこで、このソフトでは@wikiのバックアッププレーンテキストをMediaWikiへインポート可能なXML形式へと変換します。 マークアップ変換 @wikiとMediaWikiではごく一部の例外を除きWikiマークアップが異なるため、そのままMediaWikiへと移しても@wikiと同じように表示されることは期待できません。そこで、このソフトでは@wikiの各マークアップを読み取り対応するMediaWikiマークアップへと変換します。 wikia対応 YouTubeやGoogleSpreadSheet、Pollといったwikiaに実装されている拡張機能への変換にも対応しています。 問題点 精度 作っている人がいろいろとあれなので、ソースの構文が不正だったりするとおかしな出力をする可能性があります。 技術的制約 Wikiの仕様による制限のため内部リンクを中心として一部変換不可能なパターンが存在します(こちらを参照)。現在はそういったものもそのまま変換してしまいますが、将来的にはそれらの検出及び自動変換機能を実装して対応する予定です。 ライセンス テキストファイル中に投稿者及び投稿時刻が記録されないため、履歴継承などの手続きが必要なライセンスを採用しているページを変換すると要件を十分に満たせない可能性があります。使用の際にはそれを念頭におき適切な対応を取ることをお勧めいたします。万が一問題が発生した場合でも作者はその責を負いかねますことを予めご了承願います。 Wikia は米ウィキア社の日本及び米国における登録商標です
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ジョジョの奇妙な東方~FF・of・fate~ 第二十二話:魔理沙メイド隊?その③ 秋。それは実りの季節であり、また一年で最も過ごしやすい季節であるとも言える。人間の里では例年通りに米や作物がたわわに実り、来年に頑張ってもらうために田畑を安め、そして別の畑に春に生る作物を植える。 え?豊穣の神?そんなのいませんよ、ファンタジーやメルヘンじゃないんですから・・・ まぁ、それはさておき。残暑厳しい季節に起こった異変を解決し、二度に渡る神社崩壊にもめげずに頑張る自分に誰かゴホウビくらいくれてもいいと思う、と日課の落ち葉掃きの手を休めて腋巫女――博麗霊夢はさっきから鳴りっぱなしの腹を抱えた。 「紫のヤツ・・・神社建て直しただけでサラっとどっか消えやがって・・・」 しかもこういう日に限って食べ物を持ってきてくれる魔理沙や早苗は来ない。無論、巫女としての仕事を全くといっていいほどしない彼女に非があるのだが。 残念な事に彼女はどちらかと言えば損得勘定で動く人間なのである。 「天子も天子で天界から降りてこようとしないし・・・あの竜宮の使いも慰謝料くらい払ってくれたっていいじゃないの・・・」 誰も好き好んで痛い目に遭いに行きたいとは思わないだろう。何しろ本気で怒った彼女は誰にも止められないのだから。 そんなことをブツクサ言いながら掃き掃除を行っていた霊夢は久方ぶりのマトモな御飯・・・もとい、来客に気付く。そして、その珍しさに改めて驚く事になった。 「あら、魔理沙親衛隊一号二号V3じゃないの。どうしたの?」 「人を仮○ラ○ダーみたいに言わないで頂戴。」 三人を代表してアリスが言う。 あの後、何とか泣き止んだにとりから最近の魔理沙の目撃情報を聞いてみたのだが、彼女自身も魔理沙の情報を持っていなかった。 結局無駄足かと思われたが、にとりの知り合いの河童が博麗神社で白黒の魔法使いを見たという情報を受け、ここまでやってきたというわけである。 ちなみににとりは夢で見た事は喋ってはいない。余計な混乱を招くだろうということもあったが、何より自分が信じられなかったからである。 「魔理沙なら来てないわよ?というかアンタ達、用事があるならお賽銭入れてきなさい。」 まさに霊夢である。何か文句でも言ってやろうと思った三人だったが、あまりの霊夢の迫力(主に飢餓状態によるイライラが原因)に大人しく賽銭を入れる事にする。 チャリーンと博麗神社におよそ似つかわしくない澄んだ音が響き、霊夢の機嫌がとたんに良くなる。 「で、何の用事?さっきも言ったけどゴh・・・魔理沙ならここ一週間くらい来てないわよ?」 「まぁそれはいいんだけど。魔理沙の行きそうなところにどこか心当たりってないかな?」 「私たちのところにも全然来てないのよ・・・」 口々に言う魔理沙親衛隊(霊夢命名)。 にしても魔法使いに人形遣い、果ては河童とどれだけ広範囲に人気があるのだあの黒白は・・・ 一度でいいからその人気をこちらにわけて欲しい、と半ば本気で考える霊夢だった。 「知るわけないじゃないの。貴方達みたいに魔理沙の行動を逐一観察してるワケじゃあないんだし・・・」 霊夢の言葉にうっ、という呻き声をあげる3人。3人とも何らかの手段で魔理沙の交友範囲だの家の特定だのを行った前科があるのだ。人形だったりGPSだったり魔力辿ってみたりただ単に後つけてみたり・・・。どう考えても単なる犯罪者共である。 「だ・・・だけどね?心配じゃない?ほら、私たちここ二週間近く魔理沙に会ってないのよ。そんなこと滅多にないから・・・ね?」 パチュリーの焦ったような言葉にふむ、と考える霊夢。 実は霊夢は、ここ最近魔理沙が何をしているかは【知っている】。だが、彼女達に話す気はなかった。本人が話す気になれば話すだろうし、霊夢自身話すような事ではないと思っているからだ。 だけど、と続ける。確かに二週間も行方が知れなければ確かに心配にもなるだろうし、何よりこの三人には賽銭を入れてもらっている。真相を話す気は無いが、いつも気ままにトラブルを巻き起こしている魔理沙に少々オシオキをするのも悪くは無いだろう・・・。どうせヒマだったし。 そこまで考えた霊夢はニヤリ、と意地の悪い笑みをこぼしながら彼女達に話した。 「そうねぇ・・・なら妖怪の山・・・じゃなくて今は人里か。とにかく早苗も呼んできなさいな。そしたら魔理沙の探し方教えてあげるわ。」 夕暮れ。西に沈んでいく太陽とそれを遮る竹林のコントラストは何時見ても本当に幻想的だ、と妹紅は思った。 となりにいる重ちーも目を輝かせて沈む夕日を目に焼き付けている。そしてその更に隣にいるのは。 「はぁ・・・一体どこにいるのやら・・・」 重ちーの報告を聞いた魔理沙が項垂れていた。ここ最近、魔理沙は重ちーと幻想郷中を飛びまわっている。何でも探していた人の目撃報告があったとかでモノ探しの達人である重ちーを誘拐同然に連れて行き、場所を指定してそこを探し回っているのだという。 最初は憮然としていた(誘拐されたのだから当然だが)重ちーだが、魔理沙の熱意と礼金(主に後者だが)に負け、一緒になって探している。しかし、二週間経った今でも全く見つかっていないらしく、竹林に詳しい妹紅も引っ張ってきて探させているという次第である。 「にしても魔理沙。お前の言う幽霊だか悪霊だか・・・霊なら普通冥界にいるんじゃあないのか?」 「真っ先に探したよ。だけどいなかった。妖夢に見つけたら知らせて貰うようになっちゃいるが・・・」 連絡はナシだ、と言わんばかりに肩を竦める。いつも飄々として人を小ばかにしたような態度を取る魔理沙だが、この時ばかりは妹紅には歳相応の少女に見えた。 「大事な人・・・だったっけ。その悪霊。」 「あぁ。急にいなくなっちゃったんだよなぁ・・・何でかなぁ・・・私の事嫌って消えちゃったのか・・・」 「元気だすど、魔理沙!」 それまで夕日に気をとられて会話に参加していなかった重ちーが声を上げる。 「オラのハーヴェストは最強だど!戦闘はモチロン、モノ探しは得意中の得意だど。今日はたまたま見つからなかっただども、明日、また明日って探せばいつか見つかるど!ダイジなのは諦めないことだど!」 踏ん反り返って言う重ちー。言葉こそ⑨と大差ないが、魔理沙を案じているということはよく判る。重ちーは重ちーなりに魔理沙の事が心配なのだろう。 「・・・そうだな!今日がダメでも明日がある!明日がダメでも明後日があるッ!負けない事投げ出さない事逃げ出さない事信じぬく事が一番大事ってどっかの誰かも言ってるしな!」 すっくと立ち上がって拳を握り締める魔理沙。がんばるどー!と一緒になってバンザイしている重ちーを見て、妹紅は苦笑した。 重ちーといい、ツェペリ男爵といい、どうして外来人というのは底抜けに明るい連中ばかりなのだろうか。見ていてすごく気持ちがいい。彼等なら、決して間違った道を歩かないようなそんな気すらしてくる。 それが眩しく見えるのは自分の僻みだろうか、と柄にもなく思う妹紅だった。 と、 「びぇっくしょっ!」 魔理沙がおおよそ女性に似つかわしくない巨大なくしゃみをした。当然、近くにいた重ちーと妹紅はその影響をモロに受け、ヨダレとハナミズでべとべとになる。 「・・・ひどいど、魔理沙・・・」 「あぁ。手伝ってもらってる相手にこれは酷いんじゃあないか?」 「悪い悪い。しかし、この悪寒・・・誰かウワサしてんのかなぁ・・・」 鼻を啜りながら言う魔理沙。 どうせ、アリスかパチュリー辺りが悪口を言っているのだろう。そう言えばここ二週間くらいあいつ等の所へ行ってなかったな・・・明日辺り襲撃にいくかな~、と暢気な事を考えていた。 しかし、次の日。彼女はそんな暢気な事を考えていた事を自ら呪うハメになるとはこの時、全く考えていなかったのであった。 夜。博麗神社に集った魔理沙親衛隊・・・もといパチュリー、アリス、にとり、早苗の四人は、ニヤニヤとしている霊夢を見て(来なきゃ良かった・・・)と同時に思っていた。特に仕事終わりに疲れている早苗など、ツェペリの特性御飯にありつけなかったため半泣きである。 無論、当の霊夢はそんな事を思われていることなど露ほどにも気付いていない。 「魔理沙はハッキリ言って素早いわ。普通に追いかけるのはモチロン、罠張っても罠が発動する前に逃げられるわ。更に勘も鋭い。待ち伏せしてもそこを迂回して移動する危険性が高いわ。」 どこから持ってきたのか黒板など持ち出してカリカリと書き出す霊夢。もはや当初の【魔理沙探し】などどこかへ飛んでいってしまい、【魔理沙狩り】と化してしまっている。 ここにいる誰もがそれに気付いていたが、霊夢の暴走は止まらない。 「ならば取るべき手段は何か。はい!アリス!」 「え、わ、私!?えっと・・・・・・人形を幻想郷中に広げて逐一行動を報告さ・・・」 「NON。気付かれるわ。アイツは貴方の人形をいくつか持ってる。たとえ偽装してもわかるでしょうね。はい!パチュリー!」 「え!?じゃ、じゃあ・・・魔理沙は人間・・・だから人間の里に大型の魔方陣を仕掛け・・・」 「NON。【協定】に違反するわ。それに人間の里程度の広さなら魔理沙はものの数秒で突破してしまう。よほどタイミングを合わせないと無駄足に終わるわ。次、にとり!」 「ひゅい!?えー、あー、文とかに頼んで・・・」 「NON。文はこういうことがあったら当事者になろうとは絶対しないわ。他の妖怪は文や魔理沙程のスピードを持つヤツはそうそういない。いたとしても頼むだけ無駄でしょうね。次、早苗!」 「え、私も!?な、なら神奈子様や諏訪子様みたいなそれぞれの場所の偉い人に協力を・・・」 「NON。確かに協力はしてくれるでしょうけど、一人残らず一度以上は魔理沙に負けているわ。確率は今までで一番高いでしょうけどそれでも不十分。必要なのは、」 そこまで言うとカツン、とチョークを置く。黒板には魔理沙の似顔絵が描かれていた。以外に上手く特徴を捉えているのが腹立たしい。 「必要なのは、弾幕も魔力も、支配者の力も借りずにかつ魔理沙に気付かず、更に魔理沙を発見したら即束縛する・・・そんな罠(ルール)よ。」 気のせいだろうか、四人には霊夢の背後に真っ赤な男がスタンドの如く佇んでいるような光景が目に飛び込んだ。
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第11話:地下の大図書館、そして吸血鬼③ 「な、なんだぁッ!?」 当然、その地響きはFFとフランがいた場所にも届いていた。地響きを感じたFFはフランを守ろうと彼女の上に覆いかぶさるために手を広げた。しかし、 「ふ・・・ふふ・・・来た・・・魔理沙が来た・・・」 さっきまでの少女らしい笑顔ではなく、戦っていた時のような【冷たい笑顔】に戻っていたフランの顔に恐怖を覚えて後ずさる。 そんなFFに気づいているのかいないのか、フランは高らかに笑い始めた。 「アハハハハハ!!魔理沙ッ!!【また】【遊んでくれるのね】!?ねぇ、【壊れないで】いてくれるッ!?」 そう叫ぶとあらぬ方向に弾幕をばら撒き始める! ボギャァッ!という音を立てて壁が崩れ、中からとんがった影が見えてきた。 「・・・ちっ。厨二病全開モードかよ・・・先にパチュリーの所に行っておけばよかったな・・・」 中から出てきた少女はなんというか・・・お話に出てくるような【典型的な魔女】だった。黒と白のゴシック調の服にこれまた黒のとんがり帽子。 さらに箒を片手に持っている。 「よぉ、フラン。そっちの髪が短いのは・・・誰だ?見たことないが・・・」 「ふふ・・・魔理沙?【また】遊びに来てくれたの・・・?」 目の前の魔女――魔理沙だったか――の台詞などまるで耳に入っていないようだ。FFが恐怖を感じ、咄嗟に飛びのく。 「禁忌ィ!【レーヴァテイン】ンンンッ!」 飛びのいたのが先か、叫んだのが先か。フランの叫び声に反応して地面に伏せる。伏せたFFの真上を赤い何かが通り過ぎた! 当然、その後の内容も容易に思いつく。【弾幕】だッ! ビッシィアッ!と音を立てて飛んできた弾をゴロゴロと転がって避ける。避けた先にあった弾幕を甘んじて受け入れ、何とか射程外に逃れた。 「ハァー・・・ハァー・・・何だ・・・アイツはァ・・・」 FFには目の前の光景が信じられなかった。あれがさっきまで朗らかに笑っていた少女の姿だろうか。 空中に浮き、歪な翼をはためかせる少女。口元には狂気の笑みを浮かべ、手には紅く光る禍々しい剣のような【何か】。 「ふふ・・・ふふふ・・・魔理沙?ねぇ?まだ【壊れてない】よね?」 「・・・今日はやけにハイテンションじゃないか。え?フラン。」 弾幕によって上がった土煙から魔理沙も出てくる。服が多少破れているものの、不思議と無傷だ。 「いい事でもあったか?ニッコニコじゃあないか。」 「貴方が壊れてくれればもっとニコニコになれるんだけど、ねェ?」 「それは御免こうむるぜッ!!魔符【スターダストレヴァリエ】ッ!」 叫ぶ魔理沙。かざしたカードが白く光ったかと思うと、箒に跨った彼女はフランの方へ突っ込んでいった! 「禁弾!【カタディオブトリック】ゥッ!」 フランも負けじとカードを振りかざし叫ぶ。魔理沙の目の前に迷路のように大量の青の弾が交錯する! しかし魔理沙は怯まないッ! 「怯むと・・・思うのか・・・これしきの・・・これしきの事でッ!」 魔理沙は更にスピードを上げるッ!不思議と前後左右に飛び交う弾が当たらないッ! そして、魔理沙はついにッ!【フランの正面】に【飛び出した】ッ! 「勝ったッ!FF編!完ッ!」 勝ち誇った表情の魔理沙が見た顔。それは、 「本当に・・・そう思う?ねぇ?魔理沙ァ?」 自分以上に勝ち誇った笑みを浮かべたフランだった。 略 「かッ、河童!【のびーるアーム】ッ!」 「水符、【ジェリーフィッシュプリンセス】ッ!」 落ちてくる瓦礫やら本やらボスやらをそれぞれのスペルカードを駆使して自らを守る。お互い自分を守るので精一杯だ。 「ぱ、パチェ?さっき言ってた【妹様】の事について聞いてもいいかしらっ!?」 半ばパニックに陥っているにとりは事態を何とかして把握しようとする。 恐らく、パチュリーの落ち着きっぷりからして魔理沙と【妹様】とやらが何かやらかしているのだろう。 「妹様・・・フランドール・スカーレットはね・・・何というか・・・破壊本能があるの。」 「はぁ?」 うっかりスペルカードを取り落としそうになり、慌ててカードを握りなおす。こんなところで落としたら確実にピチューンじゃすまない。 「破壊本能・・・破壊衝動、とでも言えばいいかしらね?【何か】を【破壊】せずにはいられない【性】・・・最初はただ単に気が触れているだけだと思ってたんだけど・・・」 独り言のようにブツブツと呟くパチュリー。にとりの質問に答えているらしいが何がなんだかさっぱりわからない。彼女なりにパニックに陥っているのか。 「パチェ!落ち着いて!そのフランドールっていうのがこの破壊状態の原因かしらッ!?」 「その通りだと思うわぁ!けど今回の破壊状況は異常よぉ!」 お互い語尾がおかしくなっている状態ではもうどうしようもないかもしれない。にとりは不思議と冷静に今の状況を分析していた。 ここで逃げるべきだ。依頼はこなした。パチュリーは自分で自分の身を守る事ができそうだ。なら逃げるべきだ!と、にとりの本能は囁いていた。 だが、FFは?いくら強いと言っても、この状態で逃げる事が出来るだろうか? こういう時、FFはどうしていただろう?『おまえのよーなマヌケは早いとこそーなるのがふさわしかったな』と言って見捨てるか? そんなわきゃあない。きっと、『見捨てることはない!そして私もにとりも無事で妖怪の山へ帰る!』と言って助けに行くだろうッ! 「パチェ!そのフランドールがいるところまで案内してッ!いや、案内じゃなくていい!いる場所を教えて!」 「ど、どうしたのぉ?藪から棒にぃ?」 「それはもういいから!FFがいるかだけ確認できればいいッ!場所はどこ!?」 無理だ、やめておけ。そういった台詞がパチュリーの頭の中をよぎった。しかし、この河童は行くだろう。こちらの静止を無視して。 そして自分はどうするだろう。恐らく、そこにはFFはどうか知らないが魔理沙がいる。魔理沙が室内でマスタースパークでも撃たない限り、こんな揺れはありえない。 つまり、妹様がいつも以上に【暴れてくれやがって】いるのだろう。そんな歩く破壊魔状態の妹様を魔理沙が止められるか?答えはノーだ。ならどうする? 「あぁもぉ!仕方ないわね!」 喘息持ちのため滅多にやらない事だが、珍しくパチュリーは声を荒げ、頭を掻き毟る。帽子に積もっていたのだろう、木片がパラパラと落ちるのが滑稽だ。 「わかったわ。けどこれだけは約束して。もしFFがいても絶対に飛び出さないで。もし私の予想が当たってたら永遠に殺され続けた方がマシなくらいの苦痛を味わう事になるわ。」 そこまで言うとけほっと小さく咳をした。 「禁忌ッ!【フォービドゥンフルーツ】ッ!」 考えるよりも先にFFは動いていた。思いっきり地面を蹴り、出来る限り高度を合わせて魔理沙の箒とフランに向けてFF弾を放つ。 フランは撃つよりも先に気づいて回避行動を取るが、魔理沙の方は反応できずに箒に直撃する。バランスを崩し、地面へと落下していく魔理沙。 その上空を血の色の十字架が過ぎ去っていき、壁を破壊していった。 「うわぉっと!?危ねぇじゃねーか!そこの緑っ!」 「助けたんだから文句言うんじゃねぇ。あと私の名前はFFだッ!」 器用にふわりと着地して文句を言ってくる魔理沙。どうでもいいが、女の子ルックでその口調はどうなんだ? 「人の事言えるかお前?まぁいいさ。とりあえず、まずは妹様のご機嫌取りからだな。」 帽子をかぶり直し、フランを睨みつける。睨まれたフランはニヤニヤと笑いながらこちらを見ていた。 「ねぇ、魔理沙ぁ。怖かった?ねぇ、怖かったでしょぉ?」 「はっ!また新しいスペルカードでも思いついたか?フラン。私はそんなの見たことないぜ?」 一息にそういいきった後、少し顔を青ざめた魔理沙がFFの方を向く。 「さて、FF・・・だったか?後は任せたZE☆」 「待てやコラ。」 サラッとこの魔女は何を言った?ものすごくサワヤカに何を言ったコイツは? 「あー・・・冗談。冗談だ。頼むからその指コッチ向けないでくれ。どっかの座薬を思い出す。」 「その前に質問だ。フランはいつもあぁなのか?さっきまではタダの子供だったが・・・」 「いつもあんなだったら私はとっくに死んでるぜ。なんつーか・・・」 りゃ 「発作?」 「と言うのが一番近いわね。妹様の能力は【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】。それは彼女の【本質】であり、彼女自身【でもある】。」 フランのいる(と思われる)場所を目指しての移動がてら、パチュリーはにとりにフランの事について説明をしていた。 本当なら15分くらいでつく(らしい)のだが、にとりが飛べないのと落下物(主に本)から身を守るためにゆっくりと移動している。 「ゆっくりしていtt・・・」ブギュル 「何か踏んだ?」 「気のせいでしょ?続けるわ。けれども最近、妹様は【モノを壊す事】をしないようにしてるの。」 「何故・・・って言うのは野暮ね・・・」 「えぇ。妹様はモノを壊し続けていると最終的に魔理沙を壊してしまうかもって恐れてね。」 「じゃあ、何で【こう】なってるの?邪気眼?」 「それは身も蓋もないからやめて。まぁ大体合ってるけど・・・。【本質】を抑える事は彼女自身を否定する事。 だからだと思うわ。何らかの感情の変化で【本質】が表に出てくる・・・。問題なのは【それ】が自分で制御できないって事。」 パチュリーはそこまで言うと前回、破壊衝動を起こした後のフランを思い出す。【あの時】も魔理沙がいた。 ボロボロの紅魔館をみたフランは『魔理沙・・・お姉様・・・パチュリー・・・ごめんなさい、ごめんなさい』としゃがみ込んで泣いていた。 その時のフランはあまりに小さくて、そのまま消えてしまいそうだった。あの時は物的被害だけで済んだ。しかし、【次】もそうである保障など【どこにも】、ない。 「魔理沙・・・無事でいて・・・」 「要は邪気眼か。E・F・ブリザードか。」 「止めてくれ。そいつは私にとっても黒歴史だバカヤロウ。」 あんまりと言えばあんまりなFFの喩えに頭を抱える魔理沙。この間もケタケタと笑っている妹様が際限無しに弾幕を放ってきている。 「で、前回はどうやって止めた?」 「咲夜とパチュリーと私の三人がかりだったよ。動けなくなるまで弾幕ゴッコだ。」 「そりゃあこっちにとって不利な条件だなオイ。」 冷や汗をかきながら軽口を叩き合う。いくら余裕があるといっても長期戦をやるほどFFの体内の水分は万全じゃない。しかも、さっきのダメージの修復で多少水分が減っている。 毎度毎度、水の補給の心配をしなけりゃならないのは面倒くさいが仕方ない。 「何でどいつもこいつも水があるところで戦おうとしねぇんだ畜生・・・」 「そりゃお前、濡れたくないからだろう。私だって嫌だ。」 濡らしてぇんだよ、という愚痴はとりあえずしまっておく。まずはフランをなんとかしなければ。 「こりゃあ【覚悟】を決めるしかなさそうだぜ・・・」 「奇遇だな。私も【そう】考えていた。」 最初に口にしたのはどちらだったか。そして呼応するかのようにもう片方が口を開く。 「そっちの【弾幕】に【パワー】はあるか?」 「無い。ついでに言えば同時に数発が限度だ。だが、精度と一発一発の威力は保障する。」 「私と逆のタイプか。なら撃つのはそっちに任せるぜ。」 「了解だ。」 会話はそれだけ。しかし、お互いに【何をするか】はすでに【理解】していた。 折れてしまった箒でも空を飛ぶ事に支障はない。魔理沙は上昇し、再びフランと対峙した。 「ウフ・・・ウフフ・・・魔理沙だけでいいの?別にお姉ちゃんも弾幕ゴッコに加わっていいのよ?」 「馬鹿いうな。私で充分だよっていうかその笑い方やめれそれも黒歴史だ。」 思いっきり嫌な顔をして応える。どうも思い出したくない事を思い出したらしい。 「まぁいいさ。とりあえず遊んでやるよ。コインいっこでいいか?」 「それじゃあ人命も買えないって言ったの、魔理沙じゃなかった?」 「そうだな・・・だが、そのときお前はこうも言ったな。」 にやりと笑う魔理沙。 「【あんたがコンテニューできないのさ】ってな! 前へ 目次へ 続き